奥州市国際交流協会(多文化共生/地域づくり)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆奥州市国際交流協会 (岩手県奥州市 2023年3月15日

多文化共生、地域課題に果敢に取り組む国際交流協会


奥州市とは?

 MLBの大谷翔平選手の出身地としても著名になった岩手県奥州市は、歴史的に高野長英、後藤新平を輩出し、日本初の公民館や国際的な国立緯度観測所も設置された場所です。1988年に国立天文台となった観測所には海外からの研究者も滞在し、地域の国際化が進んできました。

 奥州市国際交流協会は2006年に水沢、江刺、胆沢、前沢、衣川の5市町村合併の際に設立。外国人人口比率は決して高くありませんが(2023年3月現在約0.6%)戦略的に多文化共生施策に取り組んでおり、2009年には奥州市との協働で奥州市多文化共生マスタープランも策定しました(2016年、2023年改訂)。

アスピア

市民が集う地域交流館アスピアが拠点です

プラン

右 :奥州市多文化共生マスタープランは2023年2回目の改訂です
中央:奥州市医療通訳派遣システム覚書 市との協働で行っています 
左 :外国人住民の防災のための提言書 市への政策提言も行います



際交流協会の役職員の方々は?

 会長の佐藤剛さんと事務局長で多文化共生マネージャーの渡部千春さんは、海外のご経験も数多く、それぞれ本業をお持ちの傍ら国際交流協会を運営しています。熱意にあふれ、機動力のあるお二人の強いリーダーシップのもと、奥州市政策企画部未来羅針盤課とも緊密に連携を図り、研究者や有識者を巻き込みながらスピード感を持って多文化共生施策を推進されています。
 優秀な職員を獲得し、質の高い事業を行うには職員の待遇も重要なため、市の事業受託に際しても市役所との丁寧な対話を大切にしているとのことでした。活動の拠点は、指定管理者として運営する、水沢地域の地域づくり・国際交流の拠点「地域交流館アスピア」です。

会長
国際交流協会を牽引する会長の佐藤 剛 氏


具体的な事業は?

1.在住外国人のコミュニケーション支援
奥州市医療通訳派遣システムの運営、日本語教室、外国人児童・生徒の学習支援、多言語情報ラジオ、多言語情報紙発行

2.生活支援
行政書士や税理士等と連携した外国人無料相談会、市長とのタウンミーティングの開催、外国人と外国の文化に興味がある市民が気軽に交流ができる場の提供

3.地域づくり事業
外国人就労支援事業、奥州市姉妹都市青少年交流事業への協力、奥州市が推進する国際リニアコライダー誘致推進事業に多文化共生のまちづくりの観点で協力


医療通訳
医療通訳派遣システムも整備されています


地域日本語教室
地域日本語教室の様子


ハロウィーン

幼児と小学生対象の英語クラスで開催したハロウィーンパーティ

ワクチン接種
コロナ禍では、外国人のワクチン接種も支援しました 


 上記のようにきめ細かく、幅広い事業展開が特徴です。
 現在は市役所と協働し多言語のハザードマップを作成、有識者の協力を得てやさしい日本語の普及推進のための事業も進めています。

 水沢地域の歴史的資産という地域資源を活かしながら、多文化共生の推進、地域課題に積極的に取り組む奥州市国際交流協会の今後の展開に、是非ご注目ください。

【奥州市国際交流協会 ウェブサイト https://oshu-ira.com/