(特活)パルシック(東京都千代田区)(多文化共生/居場所づくり、国際協力)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆(特活)パルシック(東京都千代田区 2022年09月13日)@Zoomオンライン

地域に暮らす多様な人々が共生する社会を目指す

国際協力NGOであるNPO法人パルシック(20084月設立)は、2021年から「海外ルーツの市民との共生事業」を開始しました。担当の藤本迅さんにお話を伺いました。

世界各地での国際協力活動やフェアトレード事業で知られているパルシックですが、元々はアジアの調査・研究・アドボカシーの活動を行うNPO法人アジア太平洋資料センターから派生しました。1999年から、東ティモールの独立運動を支援し、見えてきた課題や問題に対して現場で直接的な活動を行うことが増えていきました。より専門性を高めて質の良い活動ができるように、「調査研究アドボカシー」と「国際協力とフェアトレード」を2008年に分割し、後者を行う団体としてパルシックが誕生しました。パルシックが大切にしているのは「民際協力」という理念です。「国と国との協力」ではなく、市民同士の相互の助け合いによる課題解決に取り組んできました。

そんなパルシックですが、2022年からは日本国内に暮らす外国人を対象にした「海外ルーツの市民との共生事業」も開始し、職員とボランティアチームが事業を進めています。これまで、在留外国人と関係する団体と知り合うためのアウトリーチ活動、レストランを運営する在留外国人を招いての料理イベント、葛飾区にあるパルシックの活動拠点でもあるコミュニティカフェ「みんかふぇ」を利用した「ぐろーばるかふぇ」の運営などを行ってきました。昨年7月にはネパール料理店のオーナーシェフを招いて、料理教室を開催、チキンビリヤニをつくり、好評だったそうです。


ネパール料理イベントの様子


ボランティア会議の様子

まだ開始間もない事業ですが、既に葛飾区の社会福祉協議会や区役所の国際文化課、葛飾区内の在留外国人支援団体や日本語教室、町のレストランと繋がることができました。更にネットワークを広げていくことが目標の一つです。そして、新たな出会いを通して、今後更に私たちに何ができるのか、何が必要とされているのか、考えながら活動を広げていければと思っています。在留外国人に団体の活動を引き続き周知し、「困っている時には拠り所となりうる場所であることを知って欲しい」、「どのような背景を持つ人でも多様性が認められ、地域社会の中で助けあっていけるよう力になれたら」と藤本さんは言います。


ボランティア日本語勉強会の様子

パルシックの強みの一つは、地域の人々の拠り所になるコミュニティカフェ「みんかふぇ」を構えていること。
みんかふぇの潜在力を活かした今後のパルシックの活動に注目していきたいと思います。


PARCIC ウェブサイト:https://www.parcic.org/