(特活)メタノイア(東京都足立区)(多文化共生/全般、教育、日本語教育)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆(特活)メタノイア(東京都足立区 2022年08月17日)オンライン

目指すのは外国にルーツのある子どもたちを誰一人取り残さず、社会につなぐこと。 そのための現場づくりとは?

今回は、東京都足立区を拠点に外国にルーツのある子どもの教育支援を行っているNPO法人メタノイア代表理事の山田拓路さんよりお話を伺いました。 現在、保育士、日本語教師、行政書士の顔をもっている山田さん。外国にルーツのある子どもたちとの関わりは2008年に始まりました。東海地方でフィリピンにルーツをもつ子どもの学校の運営に携わりつつ、保育所の新設にも取り組んできました。しかし、子どもたちが脆弱な立場に置かれ、差別を受ける社会構造が依然として変わらないことに希望を失いかけてしまいます。

転機はカナダ留学。多様な人種が共に暮らし、人権が尊重され、差別に対して市民は連帯して声を上げる日本と異なる社会の在り方に勇気づけられたと言います。

帰国後は東京のNPOで働きながら準備を進め、2021年4月にメタノイアを設立しました。メタノイアでは現在、外国にルーツのある子どもたちの日本語教室やプレスクール、母語教室等の運営を行っています。公的な支援の枠組みから漏れてしまう子どもたちをも取り残さずつながりを持ち、孤立させないことを目指しています。主旨に賛同して集まった日本語教育等に専門性をもつ15人の有給スタッフ(2022年8月時点)や熱心なボランティアの方々と共に活動を行っています。
 
活動の主軸は足立区の子どもの日本語教室です。希望者が多く、全員を受け入れられない状態が続いているそうです。また、今年度に入り、クルド人難民の教育を行ってきた「クルド日本語教室」と連携して子どもの日本語教室を共催したり、ウクライナからの避難者にオンライン日本語レッスンを提供したりと、難民の背景をもつ方々への支援にも力を入れています。できるだけ多くの外国ルーツの方々とつながるために、一つひとつの活動を維持し、場を増やしていくこともメタノイアの果たす役割の一つと考えています。 更に足立区内のNPO・企業・行政が一体となった外国ルーツの子ども支援者ネットワーク「まるかるネット(旧称:コネクトリンク勉強会海外ルーツの子ども支援分科会)」の世話役団体としてキッズドア、YSCグローバル・スクール、カタリバ、足立区役所や地元企業など支援に携わる多様な組織間のリソース共有や連携を促すネットワークづくりにも貢献しています。

ひらがなカードでゲームをしながら楽しく日本語学習  htt
ひらがなカードでゲームをしながら楽しく日本語学習

絵本の読み聞かせに耳を傾けるウクライナ難民の幼児
絵本の読み聞かせに耳を傾けるウクライナ難民の幼児

日本に暮らす外国人の増加もあり支援のニーズは高まり続けていますが、一方で支援する側のマンパワーや資金は限られています。現在日本語教室の参加費は無料ですが、支払い能力のある家庭は有料にし、より脆弱性の高い子どもたちのための活動資金に充てる仕組みづくり等も検討中です。 最も脆弱な立場にある子どもたちの支援は、精神的にも資金的にも決して容易では無いはずですが、困難な道を敢えて突き進む山田さんからは、子どもたちを誰一人取り残したくない、という強い使命感が伝わってきました。 ぜひ、ウェブサイトをご覧いただき、メタノイアの活動を応援してください。

NPO法人メタノイア ウェブサイト ウェブサイト:https://metanoia.or.jp/