(特活)多文化共生マネージャー全国協議会(大阪府大阪市)(多文化共生/災害支援)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆(特活)多文化共生マネージャー全国協議会(大阪府大阪市 2022年06月06日)オンライン

始まりは多文化「DMAT」構想から ~災害時にいち早く駆けつけるコーディネーター集団へ

多文化共生マネージャー全国協議会(NPOタブマネ)の副理事長、髙木和彦さんにお話を伺いました。NPOタブマネはクレアが認定する「多文化共生マネージャー」(通称タブマネ) を中心に2009年に設立されました。きっかけは2007年の新潟中越沖地震。被災地柏 崎市に、新潟県が被災外国人への支援の拠点「柏崎多言語支援センター」を設置しまし た。柏崎市、(公財)柏崎地域国際化協会(KISNET)と各地からの有志による支援活動 が行われました。立ち上げに関わった多文化共生センター大阪の代表理事の田村太郎氏 (当時)がタブマネ養成コースの講師であったこと、センター運営の中心的役割のKISNET 事務局長の清水由美子氏(当時)が前年度にタブマネ研修を受講していたことから協力が呼びかけられました。それに応えて多くのタブマネが柏崎市に入り支援センターに参加します。

柏崎多言語支援センター設立の様子
柏崎多言語支援センター設置の様子

活動の振り返りで清水氏より「多文化DMATの必要性、全国ネットワークの必要性、災害時に活躍できる人材育成」の提言、 JIAM学長の大野慎一氏(当時)より「多文化共生マネージャーの組織的活動の必要性、全国の市町村等との協定の必要性、防災訓練等の実践」が提言されNPOタブマネ設立につながりました。主な活動は、災害発生時における現地活動団体の支援、多文化共生の推進や災害時の外国人支援に係る研修や講演会等への講師の派遣や委託事業等の受託、タブマネのネットワーク化の 推進、多文化共生に関する活動を行う団体等とのネットワーク化の推進です。
 
設立時130名程度だったタブマネも現在636名。研修を受講した時期を超えた縦のつながりを深めるためのグループメールやタブマ ネ同士が自主的に行う勉強会に対する助成、タブマネの取材助成などネットワーク化促進を目的とした事業も展開しています。コロ ナ禍でオンラインのタブマネサロンも開始しました。特徴は、団体内に専従者がおらず、理事・事務員全てが別に本業を持ちながら自分が関与できる度合に応じて活動を支えているところです。

2016年熊本地震支援に入った髙木さん(右)
2016年熊本地震支援に入った髙木さん(右)

NPOタブマネへの期待が年々高まっていることを感じると髙木さん。これまで様々な地域で研修会や講演会に出向き、多文化共生に取り組む団体・個人が着実に増えてきていると感じる一方で、地域偏在も見られ、進んでいる地域とそうでない地域の差が拡大し ているようにも感じているそうです。また、自治体職員の方も多いタブマネですが、彼らが災害時に多言語支援センターに参加する場合、本務を休みボランティアとしての参加となり保障が無いという課題もあるそうです。「一団体として、できることは限られるが、これまでの活動を通じて"つながり"ができている地域とは連絡を取り合うことにより、引き続き連携を深めながら、その地域の多文化共生が 少しでも進むようお手伝いをしていきたい。また、これまであまり"つながり"ができていない地域にも積極的にアプローチを行いながら、日本全国津々浦々で多文化共生が進むよう取り組んでいきたい」と熱く語る姿がとても印象的でした。日本各地の多文化共生推進 において、タブマネ、そしてNPOタブマネの活躍がますます期待されます。

多文化共生マネージャー全国協議会ウェブサイト: https://www.npotabumane.com/