(特活)多文化共生リソースセンター東海(愛知県名古屋市)(多文化共生/教育・日本語教育・居場所づくり・生活相談・外国人コミュニティ支援)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆(特活)多文化共生リソースセンター東海(愛知県名古屋市 2022年05月31日)@オンライン(zoom)

日本で数少ない多文化共生分野の中間支援組織として、東海地方の枠を超えて貢献

 2008年に設立された多文化共生分野の中間支援組織である多文化共生リソースセンター東海。代表理事の土井佳彦さんにお話を伺いました。同センターの設立までには1年間の丁寧な議論がありました。2007年NPO法人起業支援ネット主催で東海地域の多文化共生社会づくりに向けて「在住外国人支援事業の発展継続を考える懇談会」が開かれます。専門が日本語教育、地域日本語教室等でボランティアとしても活動していた土井さん、懇談会に声がかかり第1回から参加します。 「ボランティアの善意に頼るだけでは持続可能な活動ができない。もし10年後も同じ状況が続いていたら一体どうなるのか?」と、ギリギリの状態で活動する支援団体の存続に強い危機感を持っていたからです。また、懇談会には様々な分野で活躍する同年代の若者が多数参加しており、彼女らから学びたい気持ちもありました。

団体紹介写真

設立5周年の様子 (写真中央下 土井佳彦氏)
    
 2008年2月、懇談会参加者有志によって、"支援が届いていないところと支援をしたいところをつなぐ存在"として、「多文化共生社会を目指す中間支援組織」の設立準備会が発足されます。20回に渡る準備会を経て同年10月遂に「多文化共生リソースセンター東海」が設立されます。代表には土井さんが抜擢されました。周囲の先輩NPOからは、「多文化共生」という分野の「中間支援組織」は資金調達が非常に難しく、ボランティアで行うか、行政の委託を受けるかの二択であると指摘されたそうです。当時、大学職員としてフルタイムで働きながら、夜間や週末での活動をスタートしましたが、2011年に起きた東日本大震災での支援活動を境に、片手間でやっていては社会を変えられないと思い、翌年に退職してNPOの専従職員になることを決意されました。同時に、経営者として外国人の雇用やスタッフの産休育休に伴う働き方改革にも取り組み、職場のダイバーシティやワークライフバランスを実践し続けています。

 また中間支援組織としては、ともすると行政や営利企業に低価格で「使われてしまいがち」な非営利団体の社会的存在価値の重要性や専門性の高さを認識してもらうため、意識啓発やアドボカシー等も行っています。14年前丁寧な議論の基にスタートした活動は困難もありながらも華開き、東海地方の多文化共生に大きく貢献しています。更には、2018年度からはNPO法人多文化共生マネージャー全国協議会(大阪市)の代表理事も務めるなど、東海地方の枠組みを超えて全国的な多文化共生推進にも貢献する存在となっています。また、土井さんは、「有給職員を抱える多文化共生分野のNPOの運営が軌道に乗るには、10年かかるという気持ちで連携・協働のあり方を考えてほしい」と言います。単発的な委託事業や助成金頼みでの自転車操業では、自治体とNPOの双方にとって信頼関係を築くのが難しい。営利企業と違って地域に密着して活動するNPOは、金の切れ目を縁の切れ目にすることも心苦しい。どんな社会課題の解決においても、官民連携の重要性が高まる近年において、地域で芽生えたNPOを大切に育てることも自治体の大きな役割だと言えます。

日本で数少ない多文化共生分野の中間支援組織として活躍する多文化共生リソースセンター東海とその代表である土井さんにはこれからも大きな期待がかかります。彼らの挑戦にご注目ください。

多文化共生リソースセンター東海 ウェブサイト:http://mrc-t.blogspot.com/

団体活動紹介動画: https://www.youtube.com/watch?v=JgHTE2n3ABI