(特活)Mother's Tree Japan (東京都豊島区)(多文化共生/外国人コミュニティ支援・居場所づくり・生活相談・教育)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆(特活)Mother's Tree Japan(東京都豊島区 2022年05月18日)@対面

外国人女性が、十分な情報の中から自ら取捨選択できる出産、育児を応援するために

 東京都豊島区を中心に外国人母子の支援を行うNPO法人Mother's Tree Japan(以下MTG)事務局長の坪野谷知美さんにお話しを伺いました。設立は20206月。坪野谷さんが幼少期に海外で暮らし、言葉の壁、異文化の中で悩み苦労したことがきっかけです。母子支援に着目したのは、お母様が海外での暮らしの中で孤立したり、ことばが通じず医療機関などで苦労したりする姿を目の当たりにしたこと、ご友人が産後鬱に苦しんだためです。保育士として、日本で暮らす外国の方のためにできることにチャレンジを開始しました。
 MTGの運営は主に坪野谷さんの他5名のスタッフが行い、加えて保育士、助産師など専門職の方も活動に協力しています。
立ち上げて間もないにも関わらず、活動は共感の輪を広げ、外国人で出産経験のあるお母さんたち、医療通訳として活動している方など約30名もボランティアとして参加しています。
外国人女性のための子育てサロン
外国人女性のための子育てサロンの様子
 MTGでは妊娠・子育てに関する相談支援、医療機関や保育園への付き添いサービス、母親学級や子育てに関する情報交換ができるイベントの開催、多言語での情報発信等を行っています。また、日本での出産、子育てに役立つ情報や資料をまとめたキットも作りました。ネット上にアップされていてもプリンターが無くて使えずにいるという声があったからです。多言語での指差しボードや母子手帳も入ったキットは100名以上の方の手に渡りました。一方で、情報を必要とするであろう出産を控えた女性にアプローチする前に、家族の判断で断られてしまうケースや、国籍ごとに異なるコミュニケーションツールを使用しているため、情報が上手く届かないなど、困難が立ちはだかることも多くありました。それでもめげずに活動を継続するのは、「文化的背景を尊重し、国籍を問わず出産・子育てのスタートの地点を揃え、母親自身が取捨選択をできるようにしたい」という強い想いからです。
役所へ付き添いの様子
役所への付き添いの様子
外国人女性のための子育て準備クラス
外国人女性のための子育て準備クラス

 更なる充実を図る上でネットワークの構築にも力を入れています。活動拠点である豊島区の後援で開催した多言語での相談会では、コロナ禍での食べ物がない、赤ちゃんの不調など緊急性の高い声も受け止めます。同じく豊島区で活動している豊島子どもWAKUWAKUネットワーク、シャンティ国際ボランティア会などともゆるやかに繋がっています。大学のゼミが資料の多言語化に翻訳で協力してくれることもあるそうです。
 今後は、NICUや小児科で使用できる多言語の指差しボードや、陣痛で言葉を発することが難しい状態でも、通院している産婦人科や氏名などの情報が一目で伝わるアイテムの製作を目指しています。
 海外で出産、子育てをするお母さんたちに寄り添い、細やかな伴走支援を行うMother's Tree Japanの活動を今後も追っていきたいと思います。

Mother's Tree Japanウェブサイト https://mothers-tree-japan.org/