JAFORE 日本語を母語としない家族のための子育て支援チーム(広島県東広島市)(多文化共生/外国人コミュニティ支援・居場所づくり)
インタビュー
2022.08.19
「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー
◆JAFORE 日本語を母語としない家族のための子育て支援チーム(広島県東広島市 2022年05月24日)@Zoomオンライン
外国から来た家族と共につくる、あたたかい地域を目指して ~京都から東広島へ~
「JAFORE(ジャフォール)日本語を母語としない家族のための子育て支援チーム」の西 恵味さんにお話を伺いました。JAFOREはエチオピアのグラゲ族の言葉で「ひろば」を意味します。京都に暮らす1人の外国人の「困った」に応えたことをきっかけに、2010年5月京都市左京区でスタートしました。中学から高校までエチオピアで過ごした西さん、あたたかく迎え入れてくれたエチオピアの人々への感謝の気持ちから、日本に暮らす外国から来たご家族に寄り添いたいという気持ちが自然に生まれました。
活動を支えてくれるインドネシア出身のサリーさん(左)と
京都では多言語での子育て広場の開催、多言語の子育てに関する情報発信などを行いました。子育て広場では外国からの家族と日本人の家族が交流することで、西さんご自身も「子育てのこうあるべき」という概念から解放され、救われる経験もしました。サポートしたいという思いで始めた活動ですが、多様な価値観を持つ人々が集うことで、ホスト社会によい変化をもたらす場にもなっていることが感じられます。西さんの転居をきっかけに京都での活動を終了し、2021年より東広島に活動拠点を移しました。ご自宅の一室を利用して、月1回「ジャフォール・ミーティング東広島」を開催しています。京都とはまた異なる難しさも感じています。
京都での多言語子育てひろばの様子
「外国人」というだけで壁ができてしまうことも少なくない中、彼らを気にかけてくれる人々が一人でも二人でも増えて欲しいと願っています。そして、「支援する、される」ではなく、「地域に共に暮らす仲間」として関わるということです。
西さんはJAFOREの他に2つの顔をもっています。東広島の地域づくりを行う会社の社員と、J-オリエンテーション代表です。J-オリエンテーションは個人事業主として、『いろんな考え方や価値観に開かれている「地域」をつくること』を目指し、ボランティアでは引き受けることが難しい翻訳・通訳サービス、子育て・教育現場でのコミュニケーションサポートを有償で行っています。京都で、JAFOREの活動をきっかけに通訳翻訳などを個人的に頼まれることが増えて、負担を感じた時、京都市ソーシャルイノベーション研究所の助言を得て立ち上げました。J-オリエンテーションで得た資金はJAFOREの活動資金として循環する仕組みです。
2度目の挑戦に不安もありますが、まずは地道に地域や地域のキーパーソンと繋がり、交流イベントなどを通してネットワークを広げていきたいと展望を語って下さいました。海外であたたかく迎え入れられた経験を生かして、日本に暮らす人々が暮らしやすい地域づくりを目指す取り組み。東広島での共感の輪の広がりも楽しみです。
JAFOREのウェブサイトはこちら http://jafore.blogspot.com/