能美市国際交流協会(NIEA)(石川県能美市)(多文化共生/全般)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

能美市国際交流協会(NIEA)(石川県能美市 2021年6月30日)@Zoomオンライン

外国人コミュニティリーダーを養成して情報を必要な人に届ける

能美市国際交流協会(NIEA)は令和元年に設立されたばかりの市の外郭団体。その前身は約20年も活動を続けてきた民間のボランティア団体です。NIEA職員の清水さん、吉高さん、ブシマキンさんにお話をうかがいました。

能美市は県内でも外国人の比率が最も多く、外国人約1,200人中、ベトナム人、中国人の順で多く、割合は技能実習生と留学生がほぼ同じくらいですが、留学生の方が少し多い程度です。留学生は市内にある北陸先端科学技術大学の学生で、卒業した後は能美市から出ていく人が多いため、卒業後も住んでいただけるように能美市の魅力をアピールする事業を今後市とともに企画していきたいと思っているそうです。

NIEA設立後は、主に市の委託事業と自主事業を行っています。それまでは団体独自の拠点がなかったため、事務所ができたことが協会設立の一番大きな変化だったとのこと。活動は、これまで続けてきた日本人と外国人の交流事業に加え、市の委託事業の相談窓口と翻訳通訳、国際交流イベントを実施しています。ポルトガル語、英語、ベトナム語が話せる職員が揃っているため、これらの言語で窓口対応をしています。またそれ以外に、ロシアの姉妹都市交流事業の支援のためにロシア語の話せる職員もいます。外国人の方からの相談件数はそれほど多くはありませんが、日常の相談、通訳、住居探し以外に企業や大学には直接できない内容の相談があるとのこと。実習生や留学生にとってこのような場所があることは重要なことかもしれません。また、NIEAが市内3地域と大学で開催している日本語教室で、悩みを相談されることも多いということです。日本語を教えるボランティアの方々をはじめ、能美市の市民には暖かく親身になってサポートしようという方が多いのだと語っておられました。

 ニューイヤーパーティ
 ニューイヤー--パーティ(2020年)

大学とはようやく正式に連携して日本語教室を運営し始めました。それ以外にも能美市からの依頼で留学生との交流を通じた英語学習のサポートを行うなどの連携を深めているところです。

石川県国際交流協会、金沢市国際交流財団、小松市国際交流協会、白山市国際交流協会などとは、国際交流イベントなどで協働し、情報共有の機会にもなっているようです。 国際交流事業への日本人住民の参加がまだ少ないこと、協会の認知度が低いことがNIEAの課題だとのことですが、近隣の市町や団体と良好に協働できていることは心強く、今後の活動の広がりも期待できそうです。

 グリーンビーチ清掃
 根上グリーンビーチ清掃もってけまあけっとコラボ

 わくわくワールド
 第2回わくわくワールドin能美(2021年)

コロナ禍では、失業した方にフードドライブで集まった食糧を配布したり、農業の手伝いをして食料を得られるようにサポートをしました。NIEAの認知度が低いこともあって、声があげられない人の声がまだまだ協会に届いていないことがあるに違いない、行政にも協会にも頼れない人はそれぞれのコミュニティー内で助け合っていると思われるものの実態はわからないとのこと。そのためにも、2021年県と協力して外国人コミュニティリーダー養成講座を実施し、8名が修了したとのことです。外国人コミュニティリーダーのみなさんには在住外国人の方と日本人市民の方との橋渡しを期待しているとのことでした。外国人も能美市の一市民。だから自立して活動できる土台作りを共に進めていきたいと希望を語ってくださいました。

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