認定NPO法人 IVY(アイビー)(山形県山形市)(多文化共生 保健・医療/国際協力)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆認定NPO法人 IVY(アイビー)(山形県山形市 2021年10月26日)

山形から世界と地域の課題解決へ ~国際協力NGO・IVYの先進的な在住外国人支援活動

IVYの元理事で外国人支援事業担当の西上紀江子さんにIVYの在住外国人支援事業を中心にお話を伺いました。

IVYは精神科医の桑山紀彦氏等の呼びかけで、山形県の有志がタイ国境カンボジア難民キャンプにスタディーツアーに行ったことがきっかけとなり、199112月に設立された国際協力NGOです。カンボジア、フィリピンなど5か国で多岐の分野にわたる国際協力を行ってきました。「国際協力NGO」といった場合、開発途上国に出向いて支援を行う団体がイメージされますが、団体設立の一か月前、日本における医療通訳の先駆けとなる「外国人医療情報センター」を開設したことに象徴されるように、IVYの活動範囲は国の内外を問いません。IVYの理念は「山形という地方を拠点として世界の問題と関わり、世界の全ての人々が人間らしく生きられる社会をめざす」。西上さんからも「海外と国内の活動を見ていると、それぞれは別の活動ではなく同一線上だ」とのお話がありました。

成年後見人勉強会
   成年後見人勉強会

1994年には桑山氏が県に掛け合って医療通訳養成講座を開始、1998年には外国人相談窓口を開設しました。県内各地に地域日本語教室を開設し、軌道に乗った後運営を地元の方々に引継ぎました。以前は日本と海外に跨る、日本からフィリピンに帰国した後の精神医療支援や、フィリピンから来日する前の出発前教育なども実施していました。後述の山形県国際交流協会 (AIRY)とも緊密に連携を図っており、共催で多言語の通訳養成研修会を実施したり、外国人相談で直接支援が必要なケースをIVYで受けるなどの連携を図っています。90年代後半から県弁護士会に通訳を派遣する一方、在住外国人と支援者が一緒に日本の法律を学ぶために県弁護士会の協力を得て法律勉強会を開催するなどの取り組みを続けています。

日本語スピーチコンテスト
2017年に開催した日本語スピーチコンテスト

近年、国際協力NGOが国内の在住外国人の課題に取り組む動きが増えていますが、IVYはその先駆けと言えます。外国人人口が決して多くない山形県で在住外国人支援が根付いているという印象を受けましたが、こうした先駆的なIVYの取り組みの影響も大きいのではないでしょうか。

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