酒田市国際交流サロン(山形県酒田市)(多文化共生 / 日本語教育・居場所づくり))

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆酒田市国際交流サロン(山形県酒田市/2021年4月28日)@ZOOMオンライン

日本人配偶者の声から生まれた市民協働

山形県の日本海側の港町、酒田市にある酒田市国際交流サロンの守屋純さん、余語美香さんにお話しをうかがいました。

酒田市国際交流サロンは、2011年、日本人配偶者として酒田市に暮らす外国出身の女性たちの声に応える形で設立されました。女性たち自身が企画運営委員会を立ち上げて準備を進める中、酒田市は場所を提供しました。設立後は市の予算だけでなく、自分たちがイベントでコーヒーや玉こんにゃくなどの商品を販売した売り上げなどで運営されてきました。

交流活動には外国人の方からの要望や提案が反映され、非常に活発です。地元の大きな盆踊りに参加して市民と交流したり、在住外国人を講師とした料理教室や出身国についてお話してもらう「トラベリング・デー」などを開催しています。逆に外国の方のための日本料理教室や日本文化、生活についての勉強会があります。中でも国際交流まつりは一番大きなイベントです。日本人と外国人の交流を目的とした楽しい企画がたくさん、誰でもふらっと立ち寄れるイベントです。

イベントの写真には、若い参加者が積極的に自国の民族衣装を着てくれたり、外国出身の方が家族で参加してくれたり大変生き生きした光景が見られます。これらのイベントの写真を見ると家族連れや若い人も多く参加されている印象です。酒田市でも近年は技能実習生が増えているのですが、その若い方々も日本語教室やイベントに積極的に参加されていることが活動の盛り上がりの理由の一つかもしれません。

国際交流まつり 国際交流まつり(2019年)

甚句流し 甚句流し(2019年)

相談事業も実施しているものの、日本語学習支援団体のべにばな会の先生たちがマンツーマンの授業の中で悩み事を聞いてくれることで、深刻な悩みになることを防いでいるようだとのこと。べにばな会は、市の委託を受けて活動しているボランティア団体です。主体は市民でも行政がバックアップしてくれることが、日本語教室が安定して継続できる秘訣ではないかとおっしゃる守屋さんと余語さんの言葉に深く頷いてしまいました。

「ここでの学習や交流を通じて、日本人も外国人も国際感覚や見聞を広げ、人材として育っていってもらえることが私たちの目標です。ですから、最初は日本語の挨拶しかできなかった人が、今講師として外で活躍している姿等を見るととてもうれしい」とお話されていました。お話を伺って、市民と行政の協働が理想的な形で地域の多文化共生を進められている素敵な一例だと思いました。


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