島根県雲南市役所、一般社団法人ダイバーシティうんなんtoiro(島根県雲南市)(多文化共生 / 全般)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆島根県雲南市役所、一般社団法人ダイバーシティうんなんtoiro
(島根県雲南市/2020年3月6日) 

誰もがその人らしく、いきいきと暮らせるように 
~行政、外国人当事者、NPOの連携で多文化・多様性を受け入れる魅力ある地域と人づくり~ 



古民家を活用した多文化カフェSOBANにて。地域の人々、外国人住民の人々との食を通じた交流

 
島根県東部に位置する雲南市は人口約38,000人、18か国から約200人の外国人が暮らす中山間地域。高齢化が課題となる一方で、多文化共生の先進地として注目を集めています。雲南市役所地域振興課の鶴原隆さん、同市在住で韓国出身の李在鎮さん、神奈川出身の芝由紀子さんご夫妻にお話を伺いました。

李さんの希望で2012年JETプログラムの国際交流員(Coordinator for International Relations/CIR)としてソウルから来日。李さんはCIRとして精力的に活動される傍ら、地域の人々や外国人住民と知り合う中で、外国にルーツのある子どもが日本語をはじめ、様々な支援が受けらない、外国人が困ったときに頼る場所が無いことに気づき、市民団体を立ち上げ、ご夫妻で就学前の日本語指導や、外国人の相談活動などに取り組みます。スキルアップ、ネットワークづくりにも余念が無く、ご夫妻で「多文化共生マネージャー」にも認定されました。

5年の任期終了後も、温かく支えてもらった雲南市の人々に恩返しをしたいという気持ちから定住を決意。2018年には市のスタートアップ支援事業「雲南市スペシャルチャレンジ」に応募、古民家を改修し、雲南グローカルセンター(現在(一社)ダイバーシティうんなんtoiro)を立ち上げ、地域の人々の協力を得ながら国際交流や多文化共生の拠点となる「多文化カフェSOBAN」と「多文化図書室」をオープンしました。多文化共生の拠点づくりが必要と考えたからですが、構想通り交流拠点として発展しつつあります


SOBANにて。写真中央 左の白い服:芝さん、右の赤い服:李さん

意欲的に取り組む鶴原さんとご夫妻、そして両者が率直に意見交換できる関係性であることも印象的でした。機動的で実効性のある施策への鍵になっていると感じます。ご夫妻で草の根的に始めた活動が、現在は「日本語指導員派遣事業」や、「多文化共生推進業務」として市の委託事業となっています。更に、市では2019年「多文化共生推進プラン策定プロジェクトチーム」が設置され、外国人住民との意見交換、専門家からの意見聴取、島根県や雲南市の外国人住民調査を参考に、2020年3月に「多文化共生推進プラン」が策定されたとのこと。

地域に根付く「人を大切にする文化」をベースに、行政、外国人当事者、市民が連携し、共に考え、共に多文化共生を推し進めている雲南市。移住者も地域で温かく受け入れ、行政としても後押しをしています。多様性に配慮した、暮らしやすいまちづくりが更に加速されることが期待されます。

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