駒ヶ根市・JICA駒ヶ根(長野県駒ヶ根市)(国際協力 / まちづくり)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

◆駒ヶ根市・JICA駒ヶ根(長野県駒ヶ根市/2018年11月22日)

JOCA本部

JOCA本部

行政、市民、JICA、青年海外協力協会等の連携が生み出す駒ヶ根独自の取り組み

駒ヶ根市の特徴的なまちづくりをご紹介します。
市では総合計画の中に「国際交流と多文化共生の推進」を掲げ、1979 年のJICA駒ヶ根訓練所開所以来今日まで、全国に駒ヶ根と二本松(福島)の2か所しかない青年海外協力隊訓練所を重要な地域 特性と捉え、「協力隊」を活かしたまちづくりに継続的に取り組んでいます。行政や市民が一体となってJICAやJOCA(2018.4本部事務所 を駒ヶ根市へ移転)と連携を図りながら特色のある、活気あるまちづくりの成果を上げています。

【市民の取組】
1983年に「駒ヶ根協力隊を育てる会」が発足しJICAボランティアの支援や交流活動が行われてきました。1994年には「ト カルパのひかり」が住民有志によって設立、ネパールトカルパ村の識字教室、職業訓練への資金援助や指導員の派遣が開始されました。 1999年には「ネパール交流市民の会」が発足し、2007年からは母子保健改善プロジェクトをスタート、2014年からはJICA草の根技術協 力事業として実施し現在第2フェーズを迎えているそうです。駒ヶ根市役所はこれらの市民活動と連携し、事務局機能を担うなどしてサポート しています。

【行政の取組】
1995年行政としては珍しい開発途上国ネパールへ中学生の派遣を開始し現在も継続しています。更 に1998年からは市職員をJICAネパール事務所に調整員として派遣、その後2013年からはネパールポカラ市役所に協 力隊員としての在職派遣を行ってきました。現在、市職員8名が協力隊経験者(うち3名が在職派遣)、5名がJICA 調整員経験者とのことです。中学生でネパールに派遣された生徒が、その後協力隊員としてネパールに派遣された事例も あるそうです。学齢期からJICAの活動に触れたり、国際協力について学ぶなど世界に目を向ける環境があることで、生きた グローバル教育が実践されているといえるでしょう。
地域の特徴的なイベントとして「みなこいワールドフェスタ」もあります。実行委員会形式で行い、駒ヶ根を含む近隣4市 町村で週間事業を実施し、昨年で25回目とのこと。フェスタの来場者、出展者は年々規模が拡大しているそうです。更に 昨年からは新たな取り組みとして「大使村プロジェクト」を始動し、第1回「こまがね大使村まつり」を「JOCA本部事務所及 びこまがね市民活動支援センター」のある街なかの銀座通りにて実施、各国の大使や市民、協力隊OB・OGなどが集いま した。少子高齢化や人口減少は駒ヶ根においても課題ですが、豊かな自然と、JICA、JOCAなど地域の資源を複合的に活かしながら、また、 今後飯田に開通予定のリニア中央新幹線等の追い風にも期待しつつ、駒ヶ根のチャレンジは続きます。

JICA駒ヶ根

(独)国際協力機構 駒ヶ根青年海外力隊訓練所は、1979年に開設され、開発途上国での協力活動に取り組もうと する協力隊員の派遣前訓練を行ってきましたが、2007年からはシニア海外ボランティアも一緒に訓練を行うようになり、その規模は多いときで 230名以上に及びます。また、長野県におけるJICA事業の総合窓口として、JICAボランティアの派遣前訓練のみならず、教育現場における国際理解教育、長野県内の各団体との連携行事の開催、講演会への講師派遣(JICA国際協力出前講座)、帰国ボランティア報告会、 訓練所施設訪問の受け入れなど、市民の方々に広く国際協力を理解してもらうため、さまざまな事業を展開しています。

青年海外協力協会(JOCA)

(公社)青年海外協力協会は、開発途上国の人々のため に自分の持つ技術や経験を生かし活動してきた青年海外協力隊の帰国隊員を中心に組織され ている公益法人です。青年海外協力隊で培った行動力、技術力及び精神を、OB・OG会をはじ めとする多くの団体とのネットワークを活用し、地球的規模の課題解決や日本の課題解決に取り組んでいます。「地方創生」にも着手し、2018年3月には、東京から訓練所のある駒ケ根に 本部を移転し、長野県や駒ケ根市とともに地域づくりにも携わっています。