小松市国際交流協会(KIA)(石川県小松市 6月29日)(日本語教育・居場所づくり/災害支援)

「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

小松市国際交流協会(KIA)(石川県小松市 629日) @ZOOMオンライン

外国人防災士の資格取得後を支えて、取得者も対応言語も増加

石川県の南部、日本海側に位置する小松市は重工業の盛んな市。2351人の外国人住民(20216月時点)のうち、40%近くがブラジル人、次いで、技能実習生として来日したベトナム人が急増しているそうです。

小松市国際交流協会の活動について、会長の中村知恵さんと事務局長の本田昌代さんにお話しをうかがいました。

小松市国際交流協会は、1993年設立されて以来、外国人のみなさんから愛称のKIAと呼ばれて親しまれています。最も大きな活動は日本語教室です。レベル別に分けた通常クラスの他に、変則的な勤務で働く人のためのプライベートクラスも提供しています。また、昨年4月からはオンラインによるプライベートレッスンも始めました。新型コロナの影響が出始めた頃、全くクラスを開講できず、生徒たちの状況も見えない中で開始されました。当初は小松市の協力で無料、その後、通常のプライベートクラスと同じく有料になりましたが、それでも受講者のニーズは高かったそうです。車がないためKIAに来られない人が多く、オンラインによって受講の可能性も広がったのでしょう。その他に、講師の不足に対応するため、日本語講師養成講座に力を入れています。外国人の日本語講師養成講座を開催する年もあり、現在3名のブラジル人の方がサポートの講師として活躍しています。

日本語学校
日本語教室で実施したお正月の華道体験

近年、KIAでは災害時に外国人が災害弱者として取り残されることがないよう、防災活動に特に力を入れています。2016年にKIAから6人の外国人防災士が誕生し、日本人防災士とともに多文化防災チームを結成しました。その後少しずつメンバーを増やし、現在では外国人防災士15名が誕生。現在の対応可能言語は6言語になりました(20221月現在、合格者がさらに5名増え、7言語に!)。最近、防災士の使用可能言語を胸に記載したベストが市の予算で作成されたとのこと。ベストの製作も含め、せっかく防災士になった方々のモチベーションが下がらないように、消防や市役所にも参加してもらい定期的に会議を開催しています。KIAは協会だけの活動にとどまらず、横のつながりによって活動を強化しており、特に小松市消防本部とは密接に協力してきました。防災士の資格を取っても実践がないと忘れてしまうので、消防本部の応急手当技能競技会に協会からも参加しています。石川県主催の災害時語学サポーター育成講座にKIAから外国人と日本人あわせて13名が参加しました。外国人の参加者の意識がとても高く、活発に意見交換をするなど熱心に講座に取り組んでいたそうです。

防災キャンプ
防災キャンプ。赤色のベストを着ている外国人防災士の主導で
段ボールの簡易ベッドを作っているところ。

地域と繋がって活動しているKIAですが、お二人とも「今後は企業とももっと繋がっていきたい」と強調されていました。とくに技能実習生の方々がKIAの日本語教室と繋がるには企業の協力や理解がかかせません。「地道にアプローチを続けることで、好意的な企業も増えてきていると感じる」と前向きで力強い言葉に元気づけられました。

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