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「地域に飛び出す市民国際プラザ」 団体活動インタビュー

(公財)愛媛県国際交流協会(愛媛県松山市/2018年7月11日)

          
              愛媛県研究員による技術指導

  えひめ・スリランカ オレンジプロジェクト
〜「みかん王国」の特産物で、民族紛争後のスリランカの農家を支えたい〜


愛媛県国際交流協会(EPIC)では、(一財)自治体国際化協会の「自治体 国際協力促進事業」の助成を受けて平成18年からスリランカの柑橘栽培支援事業を始動しました。
この一大プロジェクトの中心人物であり粘り強く長期に渡る支援を続けてこら れたEPIC室長の大森典子さんにお話を伺いました。

きっかけは、スリランカ人留学生から国内の民族紛争で苦しむ祖国の人たちのためにできることが無いか、という相談を受けた こと。そんな時彼らが「こんなに美味しいみかんをスリランカで、また食べることができたらな」、と発した言葉にヒントを得て柑橘栽 培を通じた農業支援を思いついたそうです。

それからが非常に長い支援の道のりとなりました。農業支援は成果が出るまでに時間を要します。愛媛県農業試験場の研究 員と共にスリランカに出向き、まず行ったのが農業省の責任者となる方の採用面接。厳格な社会階層が存在し、社会文化的 背景が異なるスリランカで、候補者の人柄や専門分野の能力を優先した選考はとても難しかったそうです。しかし、愛媛側の強 い意向により希望通りレズリーさんの受入が実現し、結果としてレズリーさんの熱意や能力、そして、彼が愛媛の関係者と培った 信頼関係が本プロジェクトの成否を分ける大きな要因となったそうです。

レズリーさんをまずは愛媛の農業試験場で受け入れ、通年研修を実施し栽培技術を伝え ました。日本の農業試験場では、専門家であっても圃場に出て、除草や清掃といった雑務 こなし、なおかつ専門的研究を進めるのが日常の風景です。

彼の帰国後、愛媛から苗を送り農業省で試験栽培がおこなわれました。彼は日本の試験場で学んだことを実践し、自らが農地に出て率先して農作業を行ったそうで、農業省の専門 職スタッフにもそうした「日本的文化」が浸透したそうです。スリランカに持ち帰り実践した協働 とチームワークの力が苗の順調な生育に貢献したそうです。そして無事苗が育ち、スリランカ 農業省から登録品種認可が下りた後は本格的栽培普及がスタートし、接ぎ木苗の成長を見守る時期が必要となりました。

成長を見守る段階で、「じゃこ天」に代表される愛媛の水産物加工技術をスリランカに移転する事業なども並行して実施しながら、資金確保に努めつつスリランカでの柑橘栽培技術移転への長い道のりを歩みます。

支援をスタートして10年目の平成28年にようやく花開きます。愛媛県への敬意を込めて「ホナラ・えひめ」と名付けられたみかんの樹5千本がバンダラウェラの丘陵地に整然と植樹され、実ったみかんの様子が報道されると、多方面から注目を受け、 「成果」として評価されるようになったとのこと。

スリランカの農業従事者の所得向上を目指して続けてきた国際活動ですが、高齢化する県内 のみかん農家の支えとなるような若手人材雇用にスリランカの協力を得られる可能性も出てきて いるそうです。

留学生の思いを受け、国内紛争に苦しむスリランカの人々の役に立ちたいという強い思いが 10年以上に渡る支援となり大きな成果を上げています。期せずして、スリランカと愛媛が 互いにウィンウィンな協力関係を築き上げていけるモデル的取り組みとなっています。 

            
               2012年 はじめて実った温州みかん
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