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「国際協力活動ステップアップ・ワークショップ」開催のご報告

本ワークショップのねらいは、日頃接点の少ない自治体・地域国際化協会・国際協力NGOの関係者等が一堂に集う場を設定して相互理解を深め、より効果的な連携のあり方を考え、自治体とNGO等が連携した国際協力事業の立案を支援することにあります。

平成19年度のワークショップは、平成20年2月14日(木)・15日(金)の2日間にわたって、(財)自治体国際化協会・大会議室において、「地域の国際理解の促進につながる国際協力活動とは」をテーマに開催し、全国から地方自治体や地域国際化協会職員、国際協力NGO関係者など約50名の参加がありました。

自治体とNGO等とが効果的に連携して実施された事業例を参考にしながら、参加者間で実現の可能性がある新たな国際協力事業の企画立案を試みました。

以下が、今回のワークショップの概要です

ワークショップ   ワークショップ

<1日目>

アイスブレーキング(参加者自己紹介)

今回のワークショップの全体コーディネーターをお願いした、かながわ開発教育センター事務局長の木下理仁氏より、「アフリカに行ったことがある」、「ニワトリや動物を絞めて食べたことがある」、「発展途上国のスラムを訪ねたことがある」などの質問が書かれたワークシートを使ったアイスブレーキングが行われ、当初表情が硬かった参加者が打ち解けて気さくに声をかけあう光景が見られました。

問題提起「国際協力分野における自治体とNGO等の連携協働の現状と新たな可能性について」

市民国際プラザの井上より、自治体とNGOが連携する必要性やメリット等についての分析を行い、両者の主な連携事例も紹介しながら、今後の新たな可能性と連携を進めていくうえで重要な視点について情報共有を図りました。

木下氏からは、ご自身が以前在籍していた(財)かながわ国際交流財団が実施する「かながわ民際協力基金」について事例紹介があり、NGOからの提案を受けて助成金を出すだけでなく、「協働」を基本にNGOとの関係作りに努めている現状について報告がありました。

グループ討議(アクティビティ)

事例発表に入る前に、今回の参加者が、自治体・地域国際化協会・NGOについてどのようなイメージを持っているのか、6つのグループごとにブレインストーミングを行い、それぞれのプラスイメージ・マイナスイメージを率直に出し合いました。こうした中から、それぞれのアクターには長所・短所があることを認識し、それぞれの持ち味を活かしながら、どのように連携することができるのか、参加者が考えるきっかけを提供しました。

事例発表

@「再生自転車海外譲与事業」(「ムコーバ:再生自転車海外譲与自治体連絡会」の活動)

豊島区土木部交通安全課の高橋葉夏氏および(財)ジョイセフ(家族計画国際協力財団)の簡野芳樹氏から、1都3県の計13自治体と、NGOのジョイセフで構成された「ムコーバ」が、引き取り手のない放置自転車を再生させ、開発途上国の人々の母子保健と生活の向上のために無償譲渡している事業が紹介されました。1988年から2007年までの20年間にアジア、オセアニア、アフリカ、アラブ、中南米地域の90ヶ国で55,000台以上の自転車を保健ボランティアに寄贈するなど、自治体とNGOが対等なパートナーシップのもとでそれぞれの特徴を活かしながら明確に役割分担し、具体的な成果・実績を挙げている先進的な連携事例として参加者の注目を集めました。自治体側からみて、この事業が高く評価される点として、処理に困っている放置自転車を有効な資源として活用できて、且つ環境保全にもつながっていること、ジョイセフから自転車の譲渡先や活用実態について詳細なレポートが送られており、その使用目的などが明確であることなどが挙げられました。またジョイセフからは、自転車の活用によって妊産婦の死亡率を減らすことができ、多くの人命が救われている実態について報告がありました。そして、20年間にわたって継続してきた理由として、自治体とNGOの間に信頼関係が築かれている点が強調されました。今後の課題として、年間3万台のニーズに対し3千台しか送れていないことや、財源や運送用コンテナの確保の問題などが取り上げられました。

グループ討議(アクティビティ)

「再生自転車海外譲与事業」の事例について、この事業の成果や優れている点や、自治体とNGOがそれぞれに果たしている役割を、まずグループごとに話し合って列挙した後、それを全体で共有し、整理しました。この議論の様子をご覧になった簡野氏からは、自治体は常に中立でないといけないため、「なぜ連携相手はジョイセフなの?」という声にきちんと説明していくことの大切さを強調されました。

<2日目>

1日目の振り返り

1日目の事例発表や討議内容を振り返って、自治体・地域国際化協会・NGOの3者が協働して事業を進める上では何が大切か、という木下氏からの問いかけに対し、参加者から、継続してコミュニケーションをとっていくことの重要性や、しっかりした目的や理念を持つこと、役割分担をはっきりとさせること、などの意見が出された。

事例発表

A「公立学校における省エネと光熱水費節減分還元プログラム」(フィフティ・フィフティ)

(特活)国際環境NGO FoE Japanの瀬口亮子氏から、杉並区教育委員会と協働で実施した「フィフティ・フィフティ」というプログラムについて事例紹介されました。このプログラムは、杉並区立の小中学校で児童や生徒・教職員が協力して省エネ活動を行い、節約できた光熱水費をすべて区の財政に戻すのではなく、一定割合を学校に還元する仕組みで、自治体経費の節減、子どもたちの環境教育の機会を作る、地球温暖化防止という3つの効果があることを謳っています。平成17年度に杉並区の全学校を対象に実施したところ、67校で2733kgものCO2が削減できたとのことでした。この取り組みによって、学校現場にエネルギー使用に関するコスト意識を持たせるきっかけとなり、児童が学校で使用するエネルギーと地球規模で起きている温暖化現象を結び付けて考えるようになったとの成果が現れています。こうした身近な取り組みを通じて省エネや環境保全の大切さを理解し、地球規模の問題を解決していくことができるという事や、そのための国際協力の重要性について、多くの参加者が再認識したようです。

B「資源のリユース・リサイクルの実践を通した地域の国際理解と民際支援の推進」

(特活)WE21ジャパンの小川秀代氏からは、神奈川県内35のWE21地域NPO組織と連携しながら、地域が運営する54店舗のリサイクルショップ「WEショップ」の事業を共に推進し、その収益で主にアジア地域の女性の自立を目的としたNGOの活動を支援する一方、国際理解に関する講座や勉強会を実施するなど、地域社会の中で国際理解を広める活動が報告されました。平成18年度の総事業高は約3億1500万円で、そのうち民際支援・教育事業費に回ったお金が約2000万円、寄付提供者は88,449人、ボランティアメンバー37,474人、WEショップ利用者443,618人、マネージャーおよび事務局人数が76+7名となっています。「WEショップ」を拠点に地域住民から中古衣料や雑貨などの寄付を受け、ボランティアを中心に非営利事業として販売・運営し、国際協力の支援や国際理解の普及に努めている活動は、地域主体の取り組みとして先進的であり、他地域でも実現性の高い活動として参加者の注目を集めました。

昼食交流会・参加者の活動紹介

冒頭、昼食をとりながらグループごとに活動紹介などが行われました。事例発表では上映時間が取れなかったWE21ジャパンのビデオ映像も流され、参加者は事例についてさらに詳細な情報が得られたものと思われます。その後、参加者の活動PR時間となり、全体に向けて個々の団体の活動内容などが紹介されました。

ワークショップ   ワークショップ

グループ討議(アクティビティ)

5つのグループに少なくとも1名ずついるNGO・国際協力団体関係者がリソースパーソンとなって、各団体で実施している国際協力プロジェクトを参考にしながら、グループごとにどのように自治体等と連携しながら事業を進めていくことができるのか、自治体・NGOそれぞれの役割や、さらに連携が促進させるための手立てなどについて意見を出し合い、新たな国際協力プロジェクトの企画案を考えました。木下氏から、大事なポイントは「いいことだから自治体も一緒にやりましょう」だけでなく、「自治体のニーズとリンクしたプロジェクト」を考えることが強調されました。

全てのグループの発表が終わった後、それぞれのプロジェクト案の優れているところを参加者全体で指摘しあい、建設的な提案や改善点などについて話し合われました。

全体の振り返り・総括

5人一組になって、今回のワークショップに参加しての感想や得られたことなどを話し合いました。自治体の方からは、「自治体として動くにあたっては、常に市民やNGOとの意思疎通を図り、連携・協働するメリットの部分を創っていかなければならないということを学んだ。それを見つけるというのは大変だけど絶対必要なことだと思った」という感想が寄せられました。

最後に木下氏から「この場で出された事業案からもっと具体的なプロジェクト案が企画立案できたらいいので、いろいろな可能性を見出してください」とアドバイスが送られました。

市民国際プラザとしては、このワークショップで各参加者が得られた他セクターとの連携や事業の協働運営等に関する必要な情報やノウハウを提供していきたいと考えています。

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