市民国際プラザ

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「地域における国際協力推進フォーラム」開催のご報告

市民国際プラザでは、人材育成プログラムの一環として、地域の国際化や活性化につながるような地方自治体・地域国際化協会・国際協力NGO等の連携による国際協力のあり方を議論し、地域の特性を活かした国際協力活動を推進する人材の育成を通じて、地域における国際協力を一層促進することを目的に、毎年地域ブロックごとに「地域における国際協力推進フォーラム」を開催しています。

昨年度の九州地域に続いて、今年度(平成19年度)は、10月12日(金)に岡山国際交流センターにおいて「地域の特色を活かした国際協力による人づくり」をメインテーマとして開催し、岡山県内を中心に中国・四国地域の自治体や地域国際化協会職員、国際協力NGO関係者など約50名の参加がありました。中国・四国地域の中でも特に岡山県は、平成16年に「岡山県国際貢献活動の推進に関する条例」を全国の都道府県に先駆けて施行し、県や市町村・NGO・県民が一体となった国際貢献活動の実現に向けた取り組みを進めており、国際貢献を担う人材の育成に力を入れています。また、広島県も「ひろしま平和貢献構想」をもとに、カンボジア復興支援プロジェクトを実施しており、人づくりを基本に据えた教育・保健医療分野の支援活動を行っています。

このように、中国・四国地域では自治体・地域国際化協会・国際協力NGOがそれぞれの個性を活かしながら国際協力活動を行っていますが、そうした団体間の横のネットワークがより一層促進されることで、今後さらに効果的かつ効率的な国際協力活動の実施が期待されることから、今回の開催に至りました。

フォーラム   フォーラム

基調講演

(財)日本国際交流センターのチーフ・プログラムオフィサーである毛受敏浩氏より、「地域主導の国際協力〜その無限の可能性〜」と題する基調講演が行われました。

毛受氏は、自治体の財政難や専門職員の不在など、草の根レベルの国際協力活動の厳しい現状を説明した上で、従来の国際協力に代わる新たな地域主導の国際協力として、英国で広がりつつある「リンキング」という概念を提示し、多様な市民の参加や、国際交流と国際協力の一体化、地域ぐるみのボランティア活動の重要性を指摘されました。さらに「リンキング」の概念を広げていくには、一人ひとりが「地球市民」としての意識を高め、海外の出来事を自分のこととして実感できる感性や、地球の問題に対して自分は地域で何ができるのかを考えて行動していくことが大切であるとし、本フォーラムで地域を越えたネットワークを広げてほしいとの期待が述べられました。

事例報告

続いて、地方自治体、国際協力NGO、地域国際化協会から1件ずつ事例報告が行われ、岡山県企画振興部国際課の山口澄子氏からは、「岡山県国際貢献活動の推進に関する条例」の制定に至った経緯についての解説があり、条例に基づいた岡山県の国際貢献活動の現状やNGO等との連携及び住民理解と参加の実態について報告がありました。四国NGOネットワークの竹内よし子氏からは、四国のNGO・大学・JICAが連携して行っている「国際協力論」の実施目的や運営体制・役割分担等について紹介され、四国のNGOの現状を踏まえながら、地域で国際協力を実践していく上で地域の様々なアクターの協力が不可欠であることが強調されました。(財)愛媛県国際交流協会の大森典子氏からは、同協会が(財)自治体国際化協会からの助成を得て平成18年度より実施している「温州みかん等栽培技術研修事業」についての事例発表があり、事業実施に至る経緯や現地調査・研修生の受け入れの様子、研修事業における課題などが報告され、参加者からは今後の国際協力事業の実施に向けて大いに参考になったとの感想が多数寄せられました。

分科会・全体会

午後からは、午前中の3つの事例発表の内容に合わせた分科会が開かれ、分科会ごとに新たな事例が紹介されるとともに、地域の特性を活かした国際協力や人材育成プログラムのあり方、住民の参加を引き出す方法などについて熱心な議論が行われました。

フォーラム   フォーラム

分科会1「途上国の社会開発の担い手を育成する」

広島県総務部国際室国際貢献グループの宮谷幸三氏より、広島県が実施している「カンボジア復興支援プロジェクト」に関する事例報告が行われ、広島県が「創り出す平和」の理念に基づき平成15年に策定した「ひろしま平和貢献構想」を柱に、カンボジアでとりわけ支援ニーズの大きい教育・保健分野での復興支援を行っており、特に教員や保健医療従事者などに対する研修会に力を入れている状況が説明されました。その後、専門家派遣や研修員受入に関して自治体とNGOの相違点が話題となり、両者が連携することの意義について白熱した議論が繰り広げられました。

分科会2「日本の国際協力活動の担い手を育成する」

公設国際貢献大学校の秋房正美氏より、自治体やNGO等との協働のもと運営されている同大学校の概要や開校までの経緯の他、国際ボランティア養成・専門研修・ももたろう国際救援の各事業についての紹介があり、岡山という地域の特色を活かした人材育成の現状について報告がありました。後半はファシリテーターの進行のもと、参加者の関心に合わせて「国際協力の教育」「多文化共生」「国際協力」の3つのテーマでグループディスカッションが行なわれ、それぞれの経験や国際協力に対する思い、今後の抱負などが語られ、相互理解と情報の共有が図られました。

分科会3「国際協力に対する住民の理解と参加意識の醸成を図る」

広島市安佐南区農林建設部農林課の上野昭則氏及び前田淳一氏より、「ボランティアによる海外援助米生産事業」についての事例発表が行われ、JAやライオンズクラブなど地域の様々なアクターの協力を得て地域住民が米づくりを行い、NGOのマザーランド・アカデミーを通じて、収穫した米を毎年2トンほどアフリカのマリ共和国へ送っている様子が報告されました。引き続いて行なわれたディスカッションでは、住民理解と参加意識を高めていくための方策について参加者間で意見が交わされ、それぞれが抱える課題の共有や新たな可能性について話し合われました。

分科会の後には全体会が開催され、毛受敏浩氏をコーディネーターとして各分科会からの報告と質疑応答が行われた後、最後に全体討論がなされて閉会となりました。

参加者アンケートからは、「対等で双方向のパートナーシップを目指し、地球市民として地道に行動していくことの大切さを実感した」、「他の活動の様子を聞いて、自分から動いて吸収・発信する力をつけたいと思った」、「様々な団体・所属の人が参加していて、意見交換できたのがよかった」などと好意的な意見が多数寄せられ、中国・四国地域で再びこのような国際協力をテーマとしたフォーラムを開催してほしいとの声も多く聞かれました。

市民国際プラザでは、今後も本フォーラムを通じて参加者の国際協力活動に対する理解や関心を深めるとともに、活動や取り組みを進める上での手掛かりやネットワークが得られるような機会を創出していきたいと考えています。

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